2007年06月11日

サイン・インターフェイス・・その1 "新ゴ"






上の写真は、日比谷線人形町駅構内にある東京メトロのエリアサインですが、上下共にモリサワの"新ゴ" で表記されています。DTPを生業にされている方にはおなじみの、大手企業でも企業制定フォント(公式書類や媒体で使う)で使われているので、お目にかからない日は恐らく無いフォントの一つです。JR東日本でも日本語表記は全て"新ゴ" ですし。。最近サイン・インターフェイスのデザインに取り組む機会があって、注意して観察しているのですが、余りに"新ゴ" が多すぎて没個性的というか、もう少し他の選択肢は無いのかなと考えたりしています。


↑Photograph: Slick Vic's @ Creative Commons

なぜメトロのサインを取り上げたかというと、以前と現在で大幅にリファイされていて、フォントに関しても全く異なるチョイスをしているからです。ナンバリングされる以前の「営団」時代はゴシック4550という名の営団のサインの為に開発された書体が使われていました。1972年に開発された書体なので現在フォントとしてリリースされていないのですが、通常正方形のガイドの中にデザインしていく日本語書体の中で、このゴシック4550は45:50という縦横比・・90% 扁平にしているところが最大の特徴です。読みやすさを追求したようですが、限られた空間(大抵は低い天井面を有する地下鉄コンコース)の中に設置するサインに記載していく訳ですから、必然的に扁平にせざるを得なかったのかもしれません。ちなみにこの書体は鎌田経世氏によるデザインで、サインシステムとして黎デザイン総合計画研究所が手がけたものです。現在は二つの事務所に別れてしまったようですが、このゴシック4550は実際サインとして見易く個人的に大好きな書体の一つでした。

まんぷく::日記 東京メトロの新フォント・・東京メトロの新旧フォントの比較が判ります
東京メトロのサインシステム

日本語での表記する場合の最大の問題点は、その字数の多さです。ひらがな、カタカナに加え常用漢字だけでも1945文字あるわけですから、これらを全て新たにデザインするにはコストと時間的な制約がでてきます。またデザインする側から言うと、制作のプロセスにCADやドローツール(Adobe illustratorなど)が入りデザインから制作(カッティングシート切り文字加工からグラフィックシートによる出力まで)がデーター入稿となっている為、これに対応している事が必須になってきます。ヨーロッパやアメリカですとオリジナルで書体を起こす事もありますが、字数が少ないラテン語圏だからこそ可能な訳です。

サインインターフェイスとして新ゴが流通している理由は、幾つかあると思いますが最大の理由は「見慣れている」事でしょうか。雑誌や広告媒体など実績があるフォントですから、採用する側にも安心感があるのかもしれません。またフォントのウェイト(字幅)のバリエーションがあってかつモダンである事。良い意味で無難なのでしょうね。

個人的には、ヒラギノ ファミリーや小塚ゴシック ファミリー、あと使う場面は選びそうですがモトヤ シーダ ファミリーも面白そうです。サインの場合、文字が占めるウェイトが多い程、フォントがデザイン全体に与える影響が大きいですから少し個性が見える程度がちょうど良いような気がします。。

最後にサインインターフェイス関連を書かれているブログを紹介します。。


ああ、新宿駅サイン計画:ココカラハジマル

東京メトロに思う未熟なサイン計画:GEB-Site



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この記事へのコメント
メトロ…。
言われてみれば新ゴですね…。

グラフィックの世界では
新ゴってけっこう便利ものですよね。
文字ツメしなくてもそこそこに見えるし(笑)

モトヤは三省堂の辞典に採用されているので有名ですね。
モトヤ"シーダ"は初めてみました。
こちらも、あまり字ツメしなくても
そこそこに見えそうです(笑)
Posted by 盛本 純子 at 2007年06月16日 00:06
盛本さん

新ゴは採用率が本当に高いです。個人的には
ヒラギノの方が好きなのですが(笑)

モトヤのアポロやシーダは、ちょっと癖の
ある感じが他の和文書体と異なって頑張って
いる感じがするのです。

アポロは和製Optimaって感じですし(笑)
Posted by ヒラサワ at 2007年06月25日 23:57
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